国際プラスチック条約 釜山会議に参加

2024年12月3日

11月25日(月曜日)から12月1日(日曜日)にかけて、韓国・釜山で、プラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書(条約)の策定に向けた第5回政府間交渉委員会(INC5)が開催されました。

弊社が取り組んでいる海洋プラスチック問題は、生活の中で使われたプラスチックが自然界に流出することから始まっており、国際的な場でどの様な内容が話し合われ、決められているのかを学べる貴重な機会となりました。

国際プラスチック条約は、2024年を目標に、国際的なプラスチック規制の枠組みを作ることを目指す条約であり、2022年の国連環境総会で採択された決議に基づき、約170か国の政府間交渉委員会(INC)で具体的な内容が議論されています。

この条約にはプラスチックのバリューチェーン全体に関わる企業、金融機関、NGOが参加し、法的拘束力のある世界共通ルールと対策を盛り込んだ条約を支持しており、日本では10社が立ち上げ企業として参画しています。

国際プラスチック条約には、法的拘束力による強制力、プラスチックの全ライフサイクルを規制、プラスチックによる人の健康への影響を防ぐことなどが期待されていますが、グリーンピースなどからは、プラスチック汚染の影響を最も受ける人々の問題への言及不足などが指摘されています。

深刻化するプラスチック汚染問題に対し、法的拘束力のある国際条約の制定を目指し、2015年のG7サミットでの問題提起、2019年G20大阪サミットでの「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン(OBOV)」共有を経て、2022年、国連環境総会(UNEA5.2)で約170か国が合意し、政府間交渉委員会(INC)が設置されました。

INCは2022年から2024年末にかけて5回の会合を開催し、条約の詳細を議論するものでした。

日本も積極的に参加し、2040年までの汚染ゼロ目標やリサイクル推進を提案しました。

INC-1(ウルグアイ)、INC-2(パリ)、INC-3を経て、INC-4(オタワ)では具体的な行動計画策定と実施状況レビューの必要性が訴えられ、条約の具体化が進められました。

INC-5 釜山会議では、様々な意見が出されましたが、「プラスチック生産量の国際的削減目標」などについて合意に至りませんでした。

プラスチック汚染を規制する条約策定の国際交渉は、プラスチックの生産規制を巡る意見の対立により合意に至らず、協議継続となりました。

プラスチック製品の原料となる石油を取り扱う産油国やプラスチック製品を販売することで経済的な利益を得る国や企業と、そのプラスチック製品が廃棄されたり自然界に流出することで不利益を被っている国や人々の相互理解・相互協力が不可欠であることを強く感じました。

弊社の事業運営の中でも非常に大事な学びを得る場となりました。

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プラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書(条約)の策定に向けた第5回政府間交渉委員会が開催されました (METI/経済産業省)

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プラスチックめぐる国際条約 合意見送り 各国の隔たり埋まらず | NHK | 環境